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著者:新人物往来社 (編集)
単行本: 189ページ
出版社: 新人物往来社 (2005/05)
ISBN: 4404032528
内容(「MARC」データベースより)
開国を機に諸外国の関心を集めた、未知なる「JAPAN」。ハリスら異国人の目に映った日本の失われた風景を古写真で振り返る。日清・日露戦争の外国諷刺漫画も一挙公開。2003年刊の愛蔵版。
思わず表紙につられて借りてみた。花籠鞠の写真で見えている鞠が7個!
この写真は白黒に着色したもの。本文中には75ページに登場。
この写真の注釈は次の通り。
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太神楽 こういった太神楽の数々は異国人たちの目を楽しませ、チップを
はずむ姿がしばしば見受けられたという(スティルフリード撮影/着色)
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曲芸の写真はこれ以外には同じページに角兵衛獅子の一座があるだけだった。
7個使う籠鞠ってほんとうに演じられていたのだろうか?
この撮影はスタジオで撮られたものらしい。同じようにスタジオで撮られた
写真の中には、なんだか勘違いしてるんじゃないかと思われるシーンも
あるので、演出のために写真家が鞠を配置したということも考えられる。
そもそもどうやって空中に浮かんでいる鞠を飛ばしたんだ?
この本には「太神楽海を渡る」というタイトルで明治時代に欧州巡業
を行った江戸太神楽第十代親方の鏡味仙太郎氏の足取りが書かれている。
羽子板の曲における続飯付けがあまりに素晴らしくて、タネがある
マジックではないかと疑った客に鞠の譲渡を迫られた、などという
エピソードが載っている。他には鞠と撥、花籠鞠の芸で大人気だった
そうだ。この文章の中に「鞠二つ撥二つの芸」という気になる
記述があった。鞠二つ撥二つは見たことがない組合せなので、教室の
際に親方に尋ねたところやはり見たことがないとのこと。
いったいどんな芸だったのだろう。
それにしてもなんというシンクロニシティ!
親方は私のためにと鏡味仙太郎氏のパスポートのコピーを持ってきて
くださっていた。仙太郎氏について話したことなどないのに。。
日本大神楽事典、柳貴家勝蔵、彩流社、3000円、2006/9
ISBN978-4-7791-1187-7(4-7791-1187-0) C0076
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7791-1187-7.html
大神楽の各種事項を五十音で説明。情報が失われつつ
ある大神楽についての事項を水戸大神楽を中心として紹介。
太神楽に関する情報は少ないのでこの種の本が出版されるのは嬉しい。
内容は人名、符牒が主。
興味を持った項目は次の通り
祇園毬:水戸太神楽の演目。曲芸のひとつ。古くから演じられて
いた扇子と毬を使った曲芸。
これは教えている写真がある。毬二つに扇子。
鈴虫の鳴き分け:傘の曲芸で馬鈴を回す。
鈴の音色がいいかも。要検討。
絶頂どめ:太神楽で撥の曲芸、出刃皿の曲芸、毬の曲芸の手事の一つ。
これは頭の上で止めるのかなあ。
中撥の曲:水戸太神楽の曲芸の演目の一つ。綾撥より長いニ尺
の棒を取り分ける曲芸。海外のジャグラーが演じる
「デビルスティック」はこの芸を真似たものである。
同じような芸が伊勢太神楽にもある。
デビステの発端が水戸太神楽だとは知らなかった。
箱枕の曲の説明にもシガーボックスはこの芸を真似たとある。
ビール瓶の曲:水戸太神楽の演目。ビール瓶を手の甲、腕、
咥え撥などの上に立てて演じる曲芸。二代柳貴家正楽が
得意とした芸。
うーん、伝統芸能なんだからビール瓶はちょっと。
縁起の口上をつけてくれているといいのですが。
四合瓶とかとっくりでやってほしいなあ。ラケットも
とりものとして別の項で出ている。
火の升の曲芸:水戸太神楽の曲芸の一つ。柳貴家神楽が創案
した芸。火の付いた升を傘の上で回す曲芸。
ファイヤー傘回しって日本にもあったのね!
韓国のファイヤー傘回しとどちらが先だったのだろう?
残念なことに曲芸に関してはほとんどが名前のみで説明がない。
たとえば、、
大羽返し:取りもの芸の手事の一つ
沖の対戦船揺さり:立て物芸の手事の一つ
秘儀を一般に公開したくないのだろうけれど、芸自体の
継承が途絶えないように内部文書としてはちゃんと記述を
行っておいて欲しいと切に願う。
ところで丸一仙翁親方の写真が大きく2枚載っているのだが、
親方の名前が項目に挙がっていないのというのはなぜ?
「五人姉妹」、菅浩江著、早川文庫JA、の中の一編。「永遠の森博物館惑星」(傑作!)の後日談。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150307776/qid=1123065429/sr=8-2/ref=sr_8_xs_ap_i2_xgl14/250-6771461-8921058
大道芸アイテムの発明家で枠にはまらない父親を持ったばかりに大道芸に深い反感をもつ主人公が、仕事先で大道芸人フェスティバルに遭遇する。彼の息子は大道芸に心を奪われかけるが、彼は大道芸に頑なに心を閉ざし。。。大道芸に対する暖かいまなざしが描かれている。私もこの場にいたくなった。出てくる大道芸は、バルーン、ジャグリング、マイム、マジック、火吹き、フォルクローレ、竹馬、ハプニングス、道化、縄跳び、ファイヤートーチ、読心術、サンバ、ディアボロ、ストロングマン etc.
「しがらみや安定、人生や未来、そういったものを全て忘れて大道に身を当時、見る者のそれも忘れさせ、ひとときの忘我の境地を作り出す大道芸」いい言葉ですねえ。大道芸ファンが読めばじわっと嬉しくなる作品に仕上がっている。
今日は区立図書館で発見した太神楽関係の本を抱えて行った。「学校百科・はじめてみる伝統芸能〜寄席雑芸」(花井伸夫(監修)、クロスワード、1989)と「大衆芸能資料集成 第二巻 祝福芸〓 大神楽」(三隅治雄,中村茂子(編)、三一書房、1981)の2冊。前者には現在の小仙親方の小さい頃の伝記である「鏡味仙寿郎物語」が載っている。子供向けのためか絵入りでわかりやすく大人向けの太神楽入門書としても使えそう。非売品の「江戸太神楽」冊子はこの本の抜粋なのだとか。この本の凄いところは3刷も出ているということ!いったいどこにそれだけ売れたの?後者は曲芸などの台詞集みたいなもの。レコードや演者の記憶を元にかつて行われた曲芸の後見とのかけあいなどを再現している。でも台詞のみでどのような曲芸なのか全くわからない。舞いの振付や曲芸のルーチンなどが分かるかと思っていたのに残念。この本は水戸太神楽を主として描いているのだそうな。