忍者ブログ
初老初級ジャグラーの日記です。 ジャグリングを始めたのは2004年。ボールと傘を中心に投げたりまわしたりしてます。2005年1月にクラブを始めましたが、いまだに3クラブカスケードしかできません。花籠鞠、一つ鞠も始めましたが、まだ基本パターンもできません。 技の習得には通常言われている期間の4倍から5倍かかりますが、投げていること自体が好きなのでじわじわ続けています。
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
プロフィール
HN:
kurose
性別:
非公開
趣味:
ジャグリング、観劇
最新記事
最新TB
バーコード
[4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



題名:元禄の幻術
日時:2009年10月26日19:00-21:05(途中休憩あり)
会場:座・高円寺2(杉並区高円寺北2-1-2)
料金:前売り指定席 4500円
座席:B7(2列目左より)
出演:藤山新太郎、藤山すみれ、藤山晃太郎、和田奈月、高橋花子、小林大朗、槙野貴行、大翔健
演奏:
  三味線:杵家七三、杵家弥七佑美 
  筝:三代目伊藤松超、伊藤ちひろ
  囃子:川島佑介、慮慶順、望月庸子、竹井誠
演出:岡本一彦
内容:(公式Webより)
 日本古来のマジックである「和妻」は、文化庁長官か ら「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」
 として選択されています。 藤山新太郎は、和妻の維持・継承を図るとともに、改良・復活活動を行って
 参りました。 このたび、永らく途絶えていた「呑馬術(どんばじゅつ)」と「緒小桶(おごけ)の曲」を復活
 いたします。 これらの手妻は元禄期以降約300年間途絶えていたものであり、数少ない当時の資料を
 基にして復活を試みました。
『呑馬術』・・・文字通り生きた馬を丸々一頭呑み込んでしまいます
『緒小桶』・・・三つの空筒を改めながら様々な品物を取り出します
番組:(解説はプログラムより、一部引用、無印は藤山新太郎氏演技)
  1.ギヤマンセイロ・二つ引き出し。
  ○口上。
  2.お椀と玉
  3.サムタイ
  4.緒小桶(おごけ)の曲
     緒小桶とは、麻糸を入れておく筒の事で、その筒を利用して手妻にしたものです。
     室町時代から、江戸の元禄期まで流行っていた万倍芸ですが、それ以降は蒸籠
     が取って替わり、今日では全く廃れてしまいました。1600年代半ばに活躍した
     古(いにしえ)の伝内は筒の中から人形やお菓子を出し、鳥を出汁、しまいに
     生きた牛をだしたそうです。今回はなるべく元禄時代に忠実に緒小桶を再現致します。
  5.蒸篭の曲(藤山晃太郎)
  6.呑馬術(どんばじゅつ)
     奈良時代の散楽一座(奈良の国立雑技団)の演目にこれが見られます。しかし、
     どうしたものかあまり大した話題にもならなかったようです。それが、元禄時代に塩売
     長次郎という手妻師が現れて、たちまち日本中の話題を集めます。生きた馬を丸々
     一頭呑んでしまうという、想像を絶する芸で、連日芝居小屋を満員にしました。
     しかし、長次郎亡き後、これを演じる者がなく、全く絶えてしまいました。今回、300年
     ぶりに藤山新太郎が復活致します。
  7.紙片の曲
  8.蝶のたはむれ
  9.金輪の曲(藤山晃太郎)
  10.水芸。(全員)



事前に電話予約して前売りを購入したらとても良い席、前に席がなく、しかも最前列
より高いのでちょうど良い感じで見ることができました。場内満員、立ち見。
舞台両サイドに邦楽の方々が座り、生演奏で和妻鑑賞というとても贅沢な環境。
冒頭はものが次々と出てくる手妻、傘が出てきたのにはびっくり。傘を持つたびに
見得を切るのが良いです。
品玉は新太郎氏と晃太郎氏の掛け合いの間もよく、楽しいうえに美しい。
最後のあんパンは美味しそう。
サムタイはきつく縛った親指の間を刀やリングを通す芸。私もリングを投げさせて
もらいましたが、いやー現象にはびっくり。
次はお待ちかねの緒小桶の曲、いろんなものが桶から出てくるというものですが、
最初は秋の味覚、次に色とりどりの布、まん幕になってその後ろから馬!これは
昔は牛が出たのだそうです。
大きな生き物でるとインパクトがかなり大きくなります。
蒸篭の曲はどうように色々なものが次々と現れます。最後は大きな布が現れて
その後ろから野点に使えるくらいの巨大な傘!そしてその傘で見得!見得切る
のっていいですよねえ。あの傘で傘回ししたら大迫力だろうと思ったのは内緒です。
そして今回最大のだしものの呑馬術、舞台の前方に行燈をともして光のブロックを
作り、奥は蝋燭による照明のみ、そして白装束に白粉という出で立ち。
薄暗がりの後方には馬が一頭。そこで腹が減ったと口上を述べ、馬を頭の方から
食らいつきます。まず頭をぐぐぐっとひっぱって伸ばし、それを口にくわえて端から
ぱくぱく。食べては伸ばし、食べては伸ばしをするうちに頭がなくなってしまいまし
た。それから前足、胴体と伸ばしては食べ、順に消えていき、最後は後足。
ぴゅーっと伸ばしては食べて伸ばしては食べて、、、と行くのがかなりいい感じで
見えるのです。ネタは「和妻のはなし」に載っているとおりのようです。馬が動いた
ら負けの幻術、かなりシビアな管理を必要とするのでしょうね。いいものをみせても
らいました。これは手妻というより見せ物的なおもしろさを感じましたよ。今でもいけ
るんじゃないでしょうか。
2部では演奏者紹介、三味線によるポニョ、尺八によるゲゲゲの鬼太郎、は学校寄
席では相当にインパクトあるでしょうね。
蝶のたわむれは何度見ても見事。客席にまで蝶が飛んでくるサービスあり。私は通
路側に座っていたので、私の頭上30cmを蝶が舞っていきました。本当に生きてい
るように見えましたよ。
金輪の曲は手妻と見立ての見事な融合。日本ならではの技でしょう。どこかに見立
ての一覧出してくれないかしらん。
フィナーレは水芸。私はこれもライブで初めてみました。手前に花が飾ってある玉座
に新太郎氏が座ると手元においてある茶碗から水が吹き出します。扇をかざすと止
まります。日本刀の刃やつるした瓢箪からもぴゅーぴゅー。噴水の上にかざした扇に
噴水が移りゆく動きはかなり美しい。噴水が扇によって運ばれていく感じです。お弟
子さんたちも両手に花を持って、交互に水を噴き出させます。
最後はもうそこいらじゅうから水が吹きあがりました。こりゃー派手です。なぜ水がでて
いるかなぞ気にする必要もありません。不思議よりも美を追求した結果なのでしょう。
おなかいっぱいになって帰路につきました。
実はこの公演で一番不思議に思ったのは客層の年齢の高さでした。このまえみた
水戸大神楽と同じくらいなのです。もっと若いマジシャンとか見にきてると思ったので
すが。。
なぜこんな珍しいものを見にこない?



PR


題名:水府流大神楽流派の会公演 「燈々代々」
日時:2009年10月17日18:30-20:50(途中休憩あり)
劇場:国立演場
料金:当日3000円
座席:8列21番(劇場まんなか付近で右端近く)
演出:北川央
番組:
  寿獅子舞頭:翁家小楽、後:翁家和助
  和洋ジャグリングショー:
    ザ・ラッキー 幸治・舞・優
    豊来家社中 玉之助・一輝  
  古典曲芸
    柳貴家社中 正楽・雪之介・遊雪・正弥
  漫才 あした順子・ひろし
    お仲入り
  口上
    翁家和楽・ザ・ラッキー幸治・柳貴家正楽
  茶番と曲芸
   翁家社中  和楽・小楽・和助・小花
  鍾馗舞
    鍾馗大神:柳貴家正楽
    鬼:翁家和助



情ないほぼ満員。客層の大半がお年寄り、若い人はあまり見えません。
客席では私がかなり若いほうになるでしょう。劇場ロビーには獅子頭と曲
芸の道具、それに色々な写真がかざってありました。



オープニングは寿獅子舞。私が知っている獅子舞とは逆回りなのが興味深い。
最初に御幣2本を使い、次に1本鈴に交換しました。演者が2人→1人→2人、
後半では袴をぬぐなど、筋書きや振付も江戸太神楽と似ているところもあり、
いとこくらいの間柄かなあとなんとなく感じました。眠りのところが客に
とても受けていました。

次が和洋ジャグリングショー。
まずは玉之助さんの皿回し、朱塗りの大皿を額に乗せて初日の出。
5枚まわしてホルダがついたスタンドにたて、それを持ち上げ!
舞さんはかわいい。幸治師匠と親子による組体操、咥え撥によるパッシング
をみせてくれました。
なかでも素晴らしかったのは一輝さんの咥え撥土瓶の曲!
咥え撥の上に土瓶を置いた状態ですたすた歩き回るところから始まりました。
絶頂止めで落として額から流血してしまったのですが、そこで気合いがは
いったようでものすごい技の連続。
空中で一回転を連続、そして2回転!
半回転して持ち手と土瓶の間に撥をいれて土瓶の口でさかさまに立ったと
思いきや、撥へと戻りました。ネックキャッチから元へ戻し、今度はヘッド
キャッチでストール、そこから側頭へ転がし、そこから撥へと戻りました。
何度か失敗した後に空中で一回転する間に1回転ピルエットが決まりました。
最後は土瓶が半回転して持ち手で撥の上に立ってました。
重心さえあえばバランスするというのは頭でわかっていても、目の当たりに
すると大きな驚きを感じます。良く見たアイテムにおいても、まだまだ知ら
ない世界が広がっているのだということを思い知らされました。本当に見て
いうて鳥肌たちましたよ。この土瓶だけに今回の入場料払っても全然惜しく
ありませんでしたね。
古典曲芸の冒頭は客席後方から、一行が提灯などを持って入ってきました。
五階茶碗では、江戸だと「月見の団子」と言っている技が「相生比翼の鞠」
傘の立てわけでは決めポーズは腕組、骨で立てた後は傘をはね上げて空中で
1/4回転。親指試しを「指紋試し」、月にさざ波を「朝顔の咲き分け」、
えーと茶碗は回さない?
曲芸の中に卵落としもあり、これは昭和30年ごろに導入されたのだそうです。

そして一番の見どころは出刃皿。出刃の上で皿を回しての曲芸です。
湯呑み茶碗の中に皿回しを立てて、その茶碗を下から出刃で支えると茶碗が
回り始めるのはなかなかおもしろい絵になりました。出刃2本が柄の部分に
互いにはまり込むような細工がしてあり、事実上両端に刃がついた棒として
扱っていました。組み合わせた出刃の上で皿を回しておいて、いろいろな
パターンを行います。刃先にとめる芸、刃の峰にとめる芸が一瞬で終わった
ところをみると相当に難しいのでしょう。
万燈もあり。相当に大きなこしらえものを組み立てていってバランスした
状態で手を一振りするといくつもの扇のようなものがぱっと開きました。
上に乗ってつながっていないものとしては茶碗4個が識別できましたが、
他にも?すごく大きな物で持つだけでも大変そう、派手さがかっこいい。

ゲストはあした順子ひろしの漫才。ひろし師匠は87歳、まだまだ声がでて
動けるのは素晴らしい。100歳を超えても高座で拝見したいものです。

仲入り後は番組では口上となっていましたが、和楽師匠芸歴65周年と
いうことで和楽師匠を囲んだトークショー。
順子師匠曰く「師匠がかわいくて泣かしたことある。曲芸うまいが、踊りが
下手。口説かれたこともある。私が踊り子で5人で進駐軍に営業に行ったときに
フラダンス踊ったら警官に捕まった」場内大受け。
最後に大神楽の未来について皆さんから一言。
ラッキー師匠
  弟子ががんばってくれている
正楽師匠
  大神楽だけに目を向けるのではなく全体の演芸のどこにいるのか目を向けてほしい
和楽師匠
  親から言われていたのは稽古100回舞台1回、稽古が第一番
  曲芸だけではなく、獅子舞、茶番ひとつひとつをしっかり学んでいってほしい


口上後は曲芸と茶番。和楽師匠が後期高齢者向けトーク?と共に投げ物の曲芸。
次に茶番、忠臣蔵三段目人情松の廊下、どつきコントでした。
花籠鞠は小花さん、軽々と籠を振っている姿が美しい。
鞠をあげている間に籠を半回転させてキャッチさせる技を「ひねり籠」
「弁慶はななもどり」という名前が耳に残っているのですが、いったいどんな技
だったのか思い出せません。
それから一つ鞠、ナイフのパッシングがありました。

トリは鍾馗舞。正楽師匠が、仮面と髭をつけて鍾馗さまを演じ、御幣、刀、鈴を
用いてお祓いをおこなっているかのようでした。
最後に鬼が出てきて、豆をまいて退治して御開き。

素晴らしい曲芸あり、重厚な舞あり、なかなか楽しめる舞台でありました。
とくに土瓶はまた見たいなあ。万燈欲しいです。

ところでパンフレット内北川先生の「演出にあたって」の中に、、
--ここから引用--
しかし、近年の研究の進展により、水戸大神楽は伊勢・尾張双方の
大神楽とはその流れを全く異にし、摂津・西宮神社の戎信仰の普及
に携わる大神楽であったことが明らかとなった。
--ここまで
これはびっくりです!きっと論文を読みたい!!



題名:浅草見世物 奥山の風景
日時:2009年10月4日14:00-17:05(途中休憩あり)
会場:台東区生涯学習センター ミレニアムホール
料金:無料(事前予約)
座席:最前列センター右より
主催:国際浅草学プロジェクト実行委員会(台東区・明治大学)
協賛:財団法人台東区芸術文化財団/下町風俗資料館
企画・構成 : 上島敏昭(浅草雑芸団)
舞台監督・照明 : 斉藤正雄
企画協力 : (社)全日本郷土芸能協会
映像協力 : ヴィジュアルフォークロア、 北村皆雄
司会 : 原健太郎(国際浅草学プロジェクトメンバー)
説明:(公式Webより)
<浅草見世物>
 江戸時代の浅草奥山は,見世物や大道芸が集まり,一般大衆の娯楽の場として栄えました。
その後見世物は区画整理により日本の芸能の中心となった「浅草六区」に移転し,所々に見
世物小屋が立ち並び,歓楽街の景観を形成しました。
 今回の国際浅草学プロジェクトでは,かっての奥山の風景を再現させるべく,当時と関係の
深い講演・実演を豪華に織り込み,皆様に披露いたします。
番組:
~第1部 「講演」~
【記念講演】 
「浅草と見世物、大道芸」
   川添 裕 皇學館大学 文学部 教授
【講   演】 
「紙芝居と街路の文化様式-その広がりと日韓比較-」
   姜 竣 城西国際大学 国際人文学部 准教授
~第2部 「実演」
1 最後の見世物・人間ポンプ(映像と安田春子氏へのインタビュー)
最後の見世物芸人と呼ばれた故・安田里美氏の「人間ポンプ」を映像でお楽しみ
 いただきます。また安田春子夫人に当時の見世物小屋についてお話をいただきます。
2 「ろくろ首」(浅草雑芸団)
全国で公園を繰り広げている浅草雑芸団(坂野比呂志大道芸塾)により江戸時代の見
  世物小屋の定番であった「ろくろ首」を披露いたします。
3 日本手品「蝶のたはむれ」「金輪の曲」(東京イリュージョン・藤山新太郎)
国際的に活躍している藤山新太郎師により日本古来の手品の最高傑作「蝶のたはむれ」
 長らく途絶えていた日本独自の手品を復活させてた「金輪の曲」を披露します。
~展示・実演~
ミレニアムホールホワイエにて開演前および休憩時間に行います。 絵看板
安田里美興行社所蔵の見世物小屋の絵看板を展示し,昔の奥山の風景を再現します。
竹田からくり人形(桐生からくり人形芝居)
江戸の風情を受け継ぐ桐生からくり人形芝居により「義士討入」を実演いたします。
21世紀のからくり人形「踊る!和ボット」(舞台芸術21ネットワーク・和のメソッド)
古来の日本伝統文化と現在のハイテクノロジーが融合したロボットが日本伝統を舞います。

----------------------------------
【記念講演】 
「浅草と見世物、大道芸-浅草奥山を中心に。」
   川添 裕 皇學館大学 文学部 教授
見世物研究の第一人者、見世物文化研究所の所長

江戸時代の盛り場はふたつ、浅草と両国。浅草の方が格が上。
浅草は徳川幕府が開封して50年くらいで盛り場になっている。
両国は振り袖火事の後にできた盛り場。明治以降の近代化で展開の仕方が違う。
浅草は盛り場として栄えているが、両国は相撲ががんばっているだけ。
浅草は江戸時代から通して考えると一番の盛り場。
江戸時代の盛り場中心は浅草奥山。これは浅草寺の本道の大まかに後ろ側。
金竜山の奥なので奥山。現在奥山というと本道の奥から西の位置をいうが、
元来は本堂の後ろの広い場所をさしていた。
本堂の西北のエリアがだいたい盛り場として盛んだった。見世物小屋、矢場、
大道芸、土産物屋、茶屋、など。近世後期の流行する見世物小屋は非常に
大きなもの、文政二年、浅草籠細工で18間。
竹の籠の目を大きくしていって、高さ7mの像が作られたこともある。
江戸版のテーマパークみたいなもので三国志の世界をテーマパークとして
籠でつくりあげた。口上話芸のキャストがついて演じていた。
50日、興行延長で計100日、入場料が32文、800ー1000円程度。
100日で2200両ー2500両、40ー50万人はいったことになる。
このころの都市の人口の3人に1人がみた勘定になる。
奥山にかならずあったのが大道芸でふたつかみっつ。
水からくりは夏の時期にやっていた。見せ物小屋は一個だけもあるし、
いくつもでている場合もあった。暖房がないので、見せ物小屋は2月ー10月
がシーズン。子供芝居、講釈の小屋、などもあった。
矢場、弓矢を射ることがかならずしも目的ではなくて、きれいなおねえさんが
いるということが目的だったりして。
浅草奥山の奥深さはこのエリアがここだけで完結しているわけではなく、
この奥が吉原、天保年間から猿若町、浅草の東北にあった。
奥山がなんとなくあって、本来は仏様の尊い施設なのだけれど、別の意味
での弁天様が向こうにいたりして、奥深い構造をしていた。
明治以降の近代は西側、花やしき、六区がひらけてきた。
浅草という場所が二重三重に奥深い展開であった。

終演後の講師が著者の「江戸の見世物」(岩波新書)をサイン入りで購入しました。
(この本読んだことあるのに記録がない。。。)

【講   演】 
「紙芝居と街路の文化様式-その広がりと日韓比較-」
   姜 竣 城西国際大学 国際人文学部 准教授

修士論文ではじめて日本の紙芝居に出会って以来調査研究をしている。
紙芝居は路地裏、原っぱで水飴やソース煎餅などを売り、いくつか物語を
語って聞かせる商売。主に戦前の紙芝居、昭和5年くらいに東京かその周辺、
世界的に不況で無宿がいたので、無宿者の商売としてまたたくまにひろがった
都新聞に紙芝居の話が昭和6年11月ー12月にかけて18回連載された。
紙芝居を貸し出す団体が22箇所、商売人が800人。
昭和7年東京市が郡部をいれて20区になる。浅草区の中に紙芝居はひとつもない。
その周りに紙芝居を作り貸し出す団体があった。下谷区、日暮里・三河島・南千住に密集。


紙芝居のはじまり
  紙芝居はもともと紙人形芝居のことを言っていた。
  紙の裏表に人物背景をかく。それを串に刺して舞台にいれて見せる
  紙人形の芝居だった。明治20年ごろに絵双紙、駄菓子屋で売られていた。
  ろくろ首の見世物市が目をつけて縁日で小屋掛けで興行。この当時は写し絵。
  明治30年ごろまで徒弟制度でやっていた。絵を寝かして鏡に映してみせる。
  もともとの紙芝居は芸能として熟練しないとできなかった。
  熟練を必要としなくなると大正の終わりに貸し料をとって貸し出しをするようになった。
  小屋をはってやる見世物芸だったものが、どんどん日常にはいってきた
  団体が分裂していくなかで、昭和5年映画のカットに似た絵を引き抜く形として
  高瀬画劇協会を脱退した田中次郎たちが蟻友会として黄金バットを作った。
  紙芝居が盛んだった下谷竜泉寺町はたけくらべによれば、吉原に通う一能一芸
  の民が住んでいた。下谷万年町(もと下谷山崎町)は黒桑者の拝領地、強胸の住所。
  江戸後期から明治には願人坊主が集住。飢饉がおきて農村部が人が集まってくると
  人があぶれるので台帳作って移住させられていた。このあたりは、生活費がやすい。
  万年町は近世後期ー近代初期の江戸東京4大スラムのひとつ、屑もの拾いなどを
  職業とする。明治後期ー大正初期に営業取り締まられて日暮里三河島へ移住。
  万年町を中心に芸能の中心とともにスラムだった地域が、近代化される過程で郊外
  へ追い立てられていくのだが、これが日暮里・三河島だった。
  昭和6年に京成青砥-日暮里開通、戦後の紙芝居は鉄道ルートに沿って北部へ。


韓国の民族芸能
朝鮮時代のサブカルチャーは日本より圧倒的に少ない。
  絵的なものが非常に少なく、韓国の伝統芸能には声の文化が多い
  「風の丘を越えて」(1993)が韓国の民族芸能を描いた映画として有名。
  おちぶれたパンソリの旅芸人の市場で大道芸をやるが、ちんどんやの音
  にパンソリの音がかきけされる。世界で韓国をうるためには韓国にしかないもの
  それはパンソリ、しかし声を映像でみせるのは非常に難しい、あえてそこを
  映像化しようとした。
  韓国の大道芸では声が多い。日本のサブカルチャーは非常に絵的なものがおおい。


~第2部 「実演」
1 最後の見世物・人間ポンプ(映像と安田春子氏へのインタビュー)

映像は1994年見世物小屋での興行の最後。
吉本、松竹でもポンプだけはどうしてもできない
因果ものは今は上演することが困難、身障者の方々が出演できない。
蛸娘、かに男、など身体障害で他に仕事がない方々がこれでかつては稼いでいた。
現在は作りもので対処している。福祉でよくなったものもあるが。。。


人間ポンプがここで上映、いやー凄いです。ライブで見てみたかった。
なんであんなことができるんだろう?碁石呑んでおいて、好きな色を口から出すって何?
泣き啖呵を安田氏が実演、これまたすごいです。縁日のわくわく気分が湧き上がりました。
これもめったに聞けないかと思うとさびしい。

2 「ろくろ首」(浅草雑芸団)

太鼓、三味線の生演奏付で登場、ろくろ首はむしろの後に隠されていました。
絵看板付がいい。そこで、表に出ている語り部?がトーク。

ろくろっくびとはなんですか?と新聞社から質問がきた。新聞記者までわからなく
なっている。新明解で「ろくろ首」は「首が長くのいたりちぢんだりする化け物
またその見世物」。見世物研究にも載っていない。調べてみると、
武江年表に幕末に桜田久保町でろくろ首見世物の記載があった。
偽りと知りながら見る人多し。のぞきカラクリのごとくに箱をつくり、覗かせていた。
変態見世物市みたいなものですね。
こころをこめてお送りします。一瞬で終わります!

むしろがあがって、絵看板そっくりのろくろ首出現!

一瞬で終わりました。いやーいいです。これ、飲みながら見てみたい。


3 日本手品「蝶のたはむれ」「金輪の曲」(東京イリュージョン・藤山新太郎)

まずは紙片の曲から。紙テープをちぎってひとつにし、ちぎった紙を扇の上で
はずませていると繭にばけて最後は卵になりました。
次は手妻の説明、そして座敷手妻ークローズアップマジックということで
藤山晃太郎氏と掛け合いでお椀と玉。 手さばきがとても美しい。リンゴを
おいてバナナはどこ?というべたなギャグにも笑わされました。最後にはあんぱん
が出現していっそうびっくり!ちゃんと割ってあんぱんだと確認。物欲しそうに
していたのがわかったのか、舞台から呼ばれてそのあんパンをもらってしまいました。
本当に甘かったのです。ああ手妻を見て甘いものをいただけるなんてなんて幸せ。。

次は金輪の曲、チャイニーズリングと呼ばれていますが、日本では見立て芸だとのこと。
口上がつく芸なのですね。机、轡、星兜、ツタの紋所、茶釜、蓮華のつぼみ、蓮華の花、
牡丹灯籠等々、言われると確かにそれらしく見えてきます。見立ての一覧希望!
こういう見せ方だとマジックの要素より見立ての要素の方が強くアピールしますね。

次は蝶のたはむれ。手妻は、不思議をストーリーで包み込む不思議を強調しないのが特徴、
この蝶のたわむれは手妻を哲学とし、1枚の紙で一生を見せる哲学を語る、日本の芸能は
芸をしながら背後を語ろうとする、のだそうです。
形だけ真似てやることはできてもそれではまだ完成にはほど遠いとか。
蝶のたはむれは初めてライブでみたのですが、いやーほんとに蝶が生きているみたい。
これはまた見てみたい。
終演後に手妻のはなし を著者サイン入りで購入しました。


~展示・実演~




竹田からくり人形(桐生からくり人形芝居)
 倉から人形が発見されたのを契機に、もてる技術と知恵をを出し合って、つかいかたを探り、
 新しい人形を作っていったのだそうです。40体がオリジナル、35体がレプリカ。
 見てるとなんだか昔懐かしい気分になれます。



21世紀のからくり人形「踊る!和ボット」(舞台芸術21ネットワーク・和のメソッド)

  伝統芸能の普及にロボットを活用。
  関節をふやすことで、踊りや見得ができないか、文楽人形国宝にまでお願いに
  いったそうです。
  歌舞伎の前宣伝をロボットを使ってやっているとのこと。
  健康体操や踊りを披露しましたが、確かにうまく動きます。


 
これが無料のイベントなのですから、太っ腹ですよねー。
来年もセミナーに参加したいと思いましたよ。


今日は文京朝顔・ほおずき市。
昨年あたりから、芸人さんを呼んで場をあげているらしい。
尚美の生徒さんたちも登場かな?
最初は江戸太神楽丸一仙翁社中の皆さん。









ロビーイングが出ているのはいいかんじ。でもこう出られてしまうと
演奏している人たちがかすんでしまいますねえ。



ちょっと引っ込んだお寺では プラノワ
最初はそもそも人がいなくてどうだろうと思ったのですが、
最後はかなりの人数が集まっておりました。アコーディオンの集客力は
凄いなあ。





題名:ながめくらしつ舞台公演
日時:2009年3月20日19:30-
劇場:門仲天井ホール
料金:前売2500円
座席:椅子席2列目中央
出演:目黒陽介(jug)、 松田昇(jug)、鈴木拓矢(jug)、小春(acc)、 長嶋岳人(sax)

場内満員、小さなホールに熱気がこもります。全編を通して曲と動きがシンクロしている
音ぴた強調のユーロピアンな舞台でした。 ほんとによいですよねえ、生演奏に音ぴたの
ジャグリング。アコーディオンとサックスはもの悲しい世紀末を感じさせる音を出してい
ます。私はこの音ピタスタイルが日本の大道芸の原型(といってもいつまで遡るのかがあ
れですが)に近いのではないかと思っています。これに弁士がつくと最高なんだけどなあ。

オープニングは皆で顔見せ。のぼるさんのハイキック一閃が舞台にアクセントを付け加え
ます。2番目はディアボロとおもちゃのピアノで不思議な雰囲気を作り上げていきます。
バケツカスケード、椅子上でのバランス、5バウンズと5カスケードの組み合わせ、二人が
上下になっての5バウンズ(下が床の代わりにキャッチとスロー)、バウンズのスチール、
リングマニピュレーション、クラブが心の中に留まりました。
最後はみんなで横に並んでボールのボックススチール?、ボックスで渡してジグザグに椅
子の上まで。人が横に並んでボックスで渡していくのはよくあるのですが、二人目が一人
目の端のボールが上に来た時を掴んで水平に投げて繋いで行くことにより、一人で一段ず
つあがっていくというパターンが目を引きました。
高度な技術の裏付けがありながら、技術に走らずに舞台を作っている、というところでしょ
うか。次回はどんなものがみれるのか楽しみです。私としては次は物語を入れるか、弁士を
入れることに挑戦してみてほしいなあ。
忍者ブログ [PR]