初老初級ジャグラーの日記です。
ジャグリングを始めたのは2004年。ボールと傘を中心に投げたりまわしたりしてます。2005年1月にクラブを始めましたが、いまだに3クラブカスケードしかできません。花籠鞠、一つ鞠も始めましたが、まだ基本パターンもできません。
技の習得には通常言われている期間の4倍から5倍かかりますが、投げていること自体が好きなのでじわじわ続けています。
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題名:第二回ジャグリングステージ裏方ワークショップ
日時:2011年4月2日14:00-16:00
場所:BumB(東京スポーツ文化館)研修ルームC
講師:奥村優子(Cheeky*Park)
主催:米屋遊
内容概要
●イベント・ストリートと舞台公演のちがい
・演技する/表現したい空間を事前に考えて、用意する必要がある。
・お客さんが事前に金を払って予定を空けて見にくるものであり、その場で偶然出会う大道芸とは、鑑賞の動機が大きく異なる。
・大道芸・イベントより、スタッフなど関わる人間がはるかに多いので、パフォーマー以外の人間とのコミュニケーション言語を持たねばならない。情報共有方法はものすごく違う。
・準備と計画が大事。演劇は台本があるので分業での準備が可能。ストリート感覚でどうにかなる、と思っているとうまくいかない。
●なにを、だれに、どういうかたちでやりたいか
☆ショーの目的を明確にしよう
・この講演では、自主企画のジャグリングショウケース公演をモデルにする。
・主宰が目的をきちんと考えて、メンバーと共有しないといろいろぶれて、公演や作品に支障をきたす。
・舞台上で演じることでも、コンテスト形式だったり、公演、発表会、個人グループ等様々。
・物語の中で技術をみせるのか、人重視でやるの か、テーマがあってそれを見せるのか。
・死力を尽くしてよい作品を作りたいのか、仲間で楽しく作りたいのか、両方やりたいのか。
●支出について考える
☆なんといってもお金は大事。
謝礼金(出演者、スタッフ…など人に支払うお金)
謝礼を払うか払わないのか含めて考える。
人件費は、最初にしっかり打ち合わせる。相場や個人差があるのはパフォーマーもスタッフさんも同じ。
制作費(郵送費・交通費…などのおもに事務方の雑費)
細かな費用も積み重なればでかくなる。
広報費(チラシデザイン、印刷、郵送…など広報宣伝に使うお金)
よくおこなわれる折り込みなども、委託すればお金がかかる。
交通費を出すかどうか?意外にかかる。
会場費(利用料・機材費…など会場を借りるのにかかるお金)
電気代や時間延長代など、予算オーバーしないためにもチェックが必要。
舞台費(衣装や道具…舞台上で使うものの予算)
思いつきでどんどん物を増やすと、作品のためとはいえきりがなくなる。
同じく照明や音響プランをふくらませると、ものによっては機材費が別途発生する。
手持ちの機材でできるようにするか、どうしても必要ならちゃんと事前に予算に入れておく。
保険費(レクリエーション保険など)
怪我や事故の可能性が演劇などの公演より高い。客は椅子に座って逃げられない。
レクレーション保険だと1公演でそこまで高くないので安心のためにもはいっておきたい。
●収入・公演規模を考える
【例】いちばんの収入源は入場料。
チケット収入:チケット代×会場キャパシティ×80%×公演回数
→100%で考えると満員にしないと赤字になるため。80%くらいは人は呼びたいということで。
*それ以外の収入の可能性を検討する
自己負担金:主宰が一括 又は [支出総額-チケット収入]÷参加者で頭割 等
→演者にも払わせるのか(ノルマ)、自分で出すのかは主宰次第
その他収入:物販○、協賛△、助成金△
→自主企画でジャグリングでは、トライする価値はあるが、何か強い売りでもない限りペイできるほど協賛や助成をとることは難しい。
→金額設定を考える/自由席・指定席、当日券・前売券・割引券…
→会場の優先順位を考える/使用料金、広さ、キャパシティ、高さ、立地、駐車場…
→日時設定を考える/平日昼:一般×・関係者○、平日夜/一般・関係者○、土日:一般○・関係者×
※誰に見せたいのか、ということにも関わってくる部分。
☆収入を考える
・公演として成功させるための目標ラインの設定が必要
・助成金は実績があるか、実績がある人が参加していないと難しい。大手も申請しているので大手とも競うことになる
・当日券より前売券が安いのは確実にきてくれる予約者を増やしたいからである。
・料金はターゲット顧客が支払える金額にする。
・現実的には赤字を出さないのがとても大切。
・精神的にせよ、金額的にせよ、赤字を出さない。
心も金も赤になるとそこで燃え尽きてしまうかも。。
☆会場を考える
・わかりにくい場所の会場だと、開演に遅れる人も出るし。チラシ見たときにハードルがあがる。
・荷物の多くなりがちなパフォーマー系公演では、駐車場が近くにあるかどうかはポイントとなる
・天井の高さは?会場の理解度は? Cheeky*Parkの公演下見時は、実際にボールを投げたり、
ちょっと空中ブランコを吊るしてぶら下がったりもした。
・パフォーマンス公演であることと、実際におこなわれる動きを会場の人に説明して確認する。
(実際に借りてから、物を投げる公演だと小屋の人が知って、不安を覚えられたりしないよう。)
●企画書・スケジュールを考える
・顧客を想定して、集客、予算、体力を総合的に判断してスケジュールを決める。
・企画書はみんなに説明するとき、なにより自分のために必要。
・公演の目的を1枚にまとめて記述すると便利。
・事務方は、主催がかねる場合もあるが、別途制作で責任者をひとりきめることをすすめる
・話したことは文字にして、必ず互いに共有・確認する
・スケジュールの立て方は人と場合によるが、逆算するのも便利なやり方。
(いつまでにはこれがないと困るよね、ということから発想していくと考えやすいし決めやすい)
●メンバー・スタッフとの情報共有・確認
☆顔合わせは大事。
・メール・文書だけの連絡より、稽古前に全員集まって企画書を配って、自己紹介するなど。
・本番までのスケジュールほか稽古のもろもろを調整・確認する。
・現時点でかまわないからスケジュールを提出ないし〆切を通達するとよい。
・チラシを作るなら、名前の表記、プロフィール、写真などを確認する。
パフォーマーのプロフィールは営業用かつ書き方がマチマチなので、そのまま提出するよりは
フォーマットを決めて「こういう感じでかいてくれ」と指示した方が安心。
・コンタクトリスト。知らない人の確認も含めて、名前と携帯とメアドをリストにしてくばるとよい。
(この場で書いてもらって、コピーして配るとかでもいいと思う。意外とお互い知らなかったりするので)
・主催や制作からの連絡方、連絡責任者も確認する。
・窓口をできる限り1本化しておく。
・チケットの売り渡し方法も、決まっていれば確認した方が良い。
・最終的に情報共有できてないといい公演ができない。人も状況も違うと以前と同じ方法では
うまくいかない場合があるので注意。
☆台本
・舞台上で行うことが、すべて文字か図になっていること。
・パフォーマンスでは言葉とト書きではかけない部分があると思われるので書き方の工夫や図も大切。
・きっかけなどは台本を使ってスタッフと意思疎通を行う。
・そういうスタッフ向け台本を書くということをパフォーマに周知徹底することが重要。
☆稽古
・基本的にはそれぞれが自分のルーティーンを練習でいいが、公演が近くなったら稽古回数を増やして集まってやる日を決める。
・合同稽古日はやった方がよい。1ー2ヶ月前に様子をみて、舞台監督らスタッフにも見てもらえるよう調整。
・スタッフさんがこれる日には、出演者にはなにがなんでも来いと徹底する。
(特に直前はこちらを優先してほしいと強く言わないと、断りきれずに仕事を入れてしまう人がいたり
仮押さえだと思っていたら流れなかった人が出てきたりする。)
○当日、劇場でやること
【作品サイド】 搬入、仕込み、テクニカルリハーサル、場当たり、稽古、ゲネプロ、
本番、搬出・荷返し…etc
【制作サイド】 搬入、楽屋・ケータリング準備、客席確認、折込作業、打ち上げ手配、
弁当手配、各種支払い、
チケット管理、当日スタッフ対応・管理、受付準備、開場~終演後対応…etc
・劇場にはいったら,基本的には舞台監督の進行表に沿って動く。(大道芸やイベント系の現場感覚でいると怒られます)
・当日スタッフに何時にきてください、と頼んだら来てもらった時間から働ける準備を
しておくこと。人の時間をとっていることを忘れない。
・スタッフをやりながら舞台を見れるかどうか話しておく必要がある。
スタッフにはいると舞台を見れると思う人もいる。
・劇場の中と外では、互いにたいへんなことがあっても伝わらない。ぴりぴりして
くるのでわかりあって動こう。
☆お弁当
・弁当の手配は、地味に大変だけど大事。どのタイミングで出すか、心がまえる。
・テクニカルリハーサルが延びたりするとスタッフさんは弁当買いに行く暇がない。
・一瞬時間があいた隙に暖かい弁当が出てくるとモティベーションがあがる。逆もしかり。
○終わってからやること
☆制作と主催は公演終了でも仕事は終わらない
・制作サイドと出演サイドで「公演が終わる」という意味が異なる。
・精算、アンケートのまとめ、入場者リストまとめ、書類の整理、反省会など等盛りだくさん。
・映像をとっていたら関係者に配送する。
<逆算で考えてみる作業のタイムライン例>
【~3ヵ月前】…パートがほぼ固まっている状態
[チラシの用意]
・チラシ配布リストの検討→見積もり計算→印刷部数決定
・企画書内容+問合先、クレジットほか掲載項目確認・決定→デザイン作成&校正→印刷
・ちらしは無駄のない枚数で刷れるよう、事前に配布計画わたてる。
・折込も、普通の演劇公演では2000枚とかふつうにありうる。パフォーマー・ダンス系では数百枚程度。
・類似のパフォーマの直近公演に行って折り込みを見て、どこで折り込むか考えてリスト化すると便利。
・ジャグリングの公演だけでねらうとあまりないので、ダンス・アクロバティック系、や演劇でも
パフォーマンス的なものなどを狙うと良い。そのために周辺アートも普段から見ておく。
・チラシの配布方法として、置きちらし、郵送、手配りほか、いろいろ伝える方法を考える。
・ちらしを作るということはその情報を変更できない。
・ちらしを作る時点で、日時劇場チケット販売方法、問い合わせ先などをFIXする。
・ちらしでからWebに誘導とかブログ、Facebook などもありうる。
[チケットの用意]
・販売方法の検討(一般用と関係者用)→掲載項目の確認→デザイン作成&校正→印刷
※関係者チケット管理は、必ず文面で。言葉のみは「言った言わない」になるので避けたい。
☆チケットの扱いはとても重要
・無料か有料かあとでわかるので精算は半券が残るタイプがやりやすい。
・災害の場合の払い戻しなどルールを決めておこう。
・チケットは金券だと思え。おざなりに扱わせない。チケット渡して、金をもらったかどうかわからないということも起きるので注意。(ノルマでチケットを売っている場合はとくに、金券扱いにしないと平気でなくしたり無料配布する人が出るので注意。売れ残りは確実に回収しましょう。)
・チケットの売れ行きの情報共有、売り上げ枚数と残席を2-3ヶ月前は週報、二週間前になると毎日MLを流していた。
・客がきて成立するので皆が宣伝したくなる動機付けをしよう。
*ストリートで300人集めるより、劇場に100人呼ぶ方が大変。ストリート感覚で売れると思っていると意外に売れない。そして、身内で売りあうはめに陥るので、ちゃんと人を呼ぶつもりでやらないとい痛い目をみます。
【2~3ヵ月前】…各自がそれぞれの稽古開始、時おり合同稽古。
・チラシ配布開始(折込、置きチラシ、DM送付、関係者配布など)
・WEB開設準備:種類/HP、BLOG、Twitter、mixi、youtube等 と コンテンツ検討→公開&適時更新
・予算状況とチケット販売状況などの管理
・稽古場手配&スケジュール・メンバーの出欠状況管理・調整
【1~2ヵ月前】…各自稽古続行、時々合同稽古、台本提出〆切。会場下見とスタッフ稽古見学・打ち合わせ。
・チラシ配布、チケット管理、WEB更新、予算管理、稽古場手配&スケジュール・メンバー出欠状況管理・調整
・スタッフ稽古見学日調整と実施(メンバーへの周知) ※なるべくこの時までに台本と図面・動画等を用意
・会場の下見手配と日程等調整
・WEB系情報投稿
・当日にむけて:パンフレット&アンケート準備、スタッフ探し
・書き直すとしても、一ヶ月前には基本台本ができているほうがいい。〆切は余裕を持って設定しないと、現場が多い人は書く余裕がないので注意。
・スタッフも忙しい場合も多いので稽古に見学にくる前に渡せるとベスト。
・劇場を知るには舞台装置がない、素の状態でみるのが望ましい。
・パンフレットやアンケート、当日スタッフ探し、直前に探すことが多いが、早めに動くと安心。
・パフォーマー系だとアクロバットで2階にロープ吊るとか、舞台の特殊な使い方があるので、技術スタッフとの確認をしっかりしておく。
・友達で舞台監督する場合、外の劇場を借りてやる何かあれば全ての責任がいってしまう。
それを友達値段で請け負わせるのか? あまり安い金額で全責任をとれとは言えない。
【その月】…各自稽古続行、合同通し稽古等。スタッフ稽古見学と当日に向けての打ち合わせ。
・チラシ配布、チケット管理、WEB更新、WEB情報投稿、予算管理、
稽古場手配&スケジュール・メンバー出欠状況管理・調整
・スタッフ見学日手配と打ち合わせの日程等調整
・当日にむけて:パンフレット&アンケート準備、スタッフ連絡、物品・進行スケジュール確認
・当日パンフレットを当日するということも多いがもっと前に作ろう。
・アンケート・パンフレットをつくる際にスペシャルサンクスを入れるとよい。載せる必要があるものは皆から聞き出して載せる。
(事前作業のみで当日作業をしないと、手伝ってもらったのに誰にも知られずに終わる場合もあるので地味に謝辞は大事)
・次の公演予定などあれば当日パンフレットに入れれば、その後の活動のPRにもなる。
以上
このレポートを書いて講師の奥村さんに送りましたところ、以下のメッセージもブログに追記して欲しいと依頼されました。
-----奥村さんのメッセージ
●パフォーマーにとって作品は自分自身のものであり、あらゆる空間がステージです。「舞台」は唯一の表現場所ではなく、ステージに出演するだけなら、自分でお金を出したり集めてまでやらなくてもいずれ機会はあります。
また他のジャンルと比べて、圧倒的に個人でパフォーマンスをおこなって生計が立つ人間が多い世界でもあります。
あえて時間もお金も割いて空間を用意して、営業向けでもない作品を他人と一緒に練習しながら創ることには、様々な困難がともないます。
そこまでして舞台公演をやるのであれば、いつものルーティーンをステージ用にアレンジするだけではなく、ちゃんとパフォーマンスだからこそできる舞台作品を考えぬいてから、やるかやらないかの選択をしてほしい。
その上でもやるのであれば、演者・スタッフ・観客にとってそれぞれ今後の活動の糧となるような忘れられない瞬間が生まれるよう、全員が努力してよい作品/公演になるべくとりくんでいってほしいとおもいます。
日時:2011年4月2日14:00-16:00
場所:BumB(東京スポーツ文化館)研修ルームC
講師:奥村優子(Cheeky*Park)
主催:米屋遊
内容概要
●イベント・ストリートと舞台公演のちがい
・演技する/表現したい空間を事前に考えて、用意する必要がある。
・お客さんが事前に金を払って予定を空けて見にくるものであり、その場で偶然出会う大道芸とは、鑑賞の動機が大きく異なる。
・大道芸・イベントより、スタッフなど関わる人間がはるかに多いので、パフォーマー以外の人間とのコミュニケーション言語を持たねばならない。情報共有方法はものすごく違う。
・準備と計画が大事。演劇は台本があるので分業での準備が可能。ストリート感覚でどうにかなる、と思っているとうまくいかない。
●なにを、だれに、どういうかたちでやりたいか
☆ショーの目的を明確にしよう
・この講演では、自主企画のジャグリングショウケース公演をモデルにする。
・主宰が目的をきちんと考えて、メンバーと共有しないといろいろぶれて、公演や作品に支障をきたす。
・舞台上で演じることでも、コンテスト形式だったり、公演、発表会、個人グループ等様々。
・物語の中で技術をみせるのか、人重視でやるの か、テーマがあってそれを見せるのか。
・死力を尽くしてよい作品を作りたいのか、仲間で楽しく作りたいのか、両方やりたいのか。
●支出について考える
☆なんといってもお金は大事。
謝礼金(出演者、スタッフ…など人に支払うお金)
謝礼を払うか払わないのか含めて考える。
人件費は、最初にしっかり打ち合わせる。相場や個人差があるのはパフォーマーもスタッフさんも同じ。
制作費(郵送費・交通費…などのおもに事務方の雑費)
細かな費用も積み重なればでかくなる。
広報費(チラシデザイン、印刷、郵送…など広報宣伝に使うお金)
よくおこなわれる折り込みなども、委託すればお金がかかる。
交通費を出すかどうか?意外にかかる。
会場費(利用料・機材費…など会場を借りるのにかかるお金)
電気代や時間延長代など、予算オーバーしないためにもチェックが必要。
舞台費(衣装や道具…舞台上で使うものの予算)
思いつきでどんどん物を増やすと、作品のためとはいえきりがなくなる。
同じく照明や音響プランをふくらませると、ものによっては機材費が別途発生する。
手持ちの機材でできるようにするか、どうしても必要ならちゃんと事前に予算に入れておく。
保険費(レクリエーション保険など)
怪我や事故の可能性が演劇などの公演より高い。客は椅子に座って逃げられない。
レクレーション保険だと1公演でそこまで高くないので安心のためにもはいっておきたい。
●収入・公演規模を考える
【例】いちばんの収入源は入場料。
チケット収入:チケット代×会場キャパシティ×80%×公演回数
→100%で考えると満員にしないと赤字になるため。80%くらいは人は呼びたいということで。
*それ以外の収入の可能性を検討する
自己負担金:主宰が一括 又は [支出総額-チケット収入]÷参加者で頭割 等
→演者にも払わせるのか(ノルマ)、自分で出すのかは主宰次第
その他収入:物販○、協賛△、助成金△
→自主企画でジャグリングでは、トライする価値はあるが、何か強い売りでもない限りペイできるほど協賛や助成をとることは難しい。
→金額設定を考える/自由席・指定席、当日券・前売券・割引券…
→会場の優先順位を考える/使用料金、広さ、キャパシティ、高さ、立地、駐車場…
→日時設定を考える/平日昼:一般×・関係者○、平日夜/一般・関係者○、土日:一般○・関係者×
※誰に見せたいのか、ということにも関わってくる部分。
☆収入を考える
・公演として成功させるための目標ラインの設定が必要
・助成金は実績があるか、実績がある人が参加していないと難しい。大手も申請しているので大手とも競うことになる
・当日券より前売券が安いのは確実にきてくれる予約者を増やしたいからである。
・料金はターゲット顧客が支払える金額にする。
・現実的には赤字を出さないのがとても大切。
・精神的にせよ、金額的にせよ、赤字を出さない。
心も金も赤になるとそこで燃え尽きてしまうかも。。
☆会場を考える
・わかりにくい場所の会場だと、開演に遅れる人も出るし。チラシ見たときにハードルがあがる。
・荷物の多くなりがちなパフォーマー系公演では、駐車場が近くにあるかどうかはポイントとなる
・天井の高さは?会場の理解度は? Cheeky*Parkの公演下見時は、実際にボールを投げたり、
ちょっと空中ブランコを吊るしてぶら下がったりもした。
・パフォーマンス公演であることと、実際におこなわれる動きを会場の人に説明して確認する。
(実際に借りてから、物を投げる公演だと小屋の人が知って、不安を覚えられたりしないよう。)
●企画書・スケジュールを考える
・顧客を想定して、集客、予算、体力を総合的に判断してスケジュールを決める。
・企画書はみんなに説明するとき、なにより自分のために必要。
・公演の目的を1枚にまとめて記述すると便利。
・事務方は、主催がかねる場合もあるが、別途制作で責任者をひとりきめることをすすめる
・話したことは文字にして、必ず互いに共有・確認する
・スケジュールの立て方は人と場合によるが、逆算するのも便利なやり方。
(いつまでにはこれがないと困るよね、ということから発想していくと考えやすいし決めやすい)
●メンバー・スタッフとの情報共有・確認
☆顔合わせは大事。
・メール・文書だけの連絡より、稽古前に全員集まって企画書を配って、自己紹介するなど。
・本番までのスケジュールほか稽古のもろもろを調整・確認する。
・現時点でかまわないからスケジュールを提出ないし〆切を通達するとよい。
・チラシを作るなら、名前の表記、プロフィール、写真などを確認する。
パフォーマーのプロフィールは営業用かつ書き方がマチマチなので、そのまま提出するよりは
フォーマットを決めて「こういう感じでかいてくれ」と指示した方が安心。
・コンタクトリスト。知らない人の確認も含めて、名前と携帯とメアドをリストにしてくばるとよい。
(この場で書いてもらって、コピーして配るとかでもいいと思う。意外とお互い知らなかったりするので)
・主催や制作からの連絡方、連絡責任者も確認する。
・窓口をできる限り1本化しておく。
・チケットの売り渡し方法も、決まっていれば確認した方が良い。
・最終的に情報共有できてないといい公演ができない。人も状況も違うと以前と同じ方法では
うまくいかない場合があるので注意。
☆台本
・舞台上で行うことが、すべて文字か図になっていること。
・パフォーマンスでは言葉とト書きではかけない部分があると思われるので書き方の工夫や図も大切。
・きっかけなどは台本を使ってスタッフと意思疎通を行う。
・そういうスタッフ向け台本を書くということをパフォーマに周知徹底することが重要。
☆稽古
・基本的にはそれぞれが自分のルーティーンを練習でいいが、公演が近くなったら稽古回数を増やして集まってやる日を決める。
・合同稽古日はやった方がよい。1ー2ヶ月前に様子をみて、舞台監督らスタッフにも見てもらえるよう調整。
・スタッフさんがこれる日には、出演者にはなにがなんでも来いと徹底する。
(特に直前はこちらを優先してほしいと強く言わないと、断りきれずに仕事を入れてしまう人がいたり
仮押さえだと思っていたら流れなかった人が出てきたりする。)
○当日、劇場でやること
【作品サイド】 搬入、仕込み、テクニカルリハーサル、場当たり、稽古、ゲネプロ、
本番、搬出・荷返し…etc
【制作サイド】 搬入、楽屋・ケータリング準備、客席確認、折込作業、打ち上げ手配、
弁当手配、各種支払い、
チケット管理、当日スタッフ対応・管理、受付準備、開場~終演後対応…etc
・劇場にはいったら,基本的には舞台監督の進行表に沿って動く。(大道芸やイベント系の現場感覚でいると怒られます)
・当日スタッフに何時にきてください、と頼んだら来てもらった時間から働ける準備を
しておくこと。人の時間をとっていることを忘れない。
・スタッフをやりながら舞台を見れるかどうか話しておく必要がある。
スタッフにはいると舞台を見れると思う人もいる。
・劇場の中と外では、互いにたいへんなことがあっても伝わらない。ぴりぴりして
くるのでわかりあって動こう。
☆お弁当
・弁当の手配は、地味に大変だけど大事。どのタイミングで出すか、心がまえる。
・テクニカルリハーサルが延びたりするとスタッフさんは弁当買いに行く暇がない。
・一瞬時間があいた隙に暖かい弁当が出てくるとモティベーションがあがる。逆もしかり。
○終わってからやること
☆制作と主催は公演終了でも仕事は終わらない
・制作サイドと出演サイドで「公演が終わる」という意味が異なる。
・精算、アンケートのまとめ、入場者リストまとめ、書類の整理、反省会など等盛りだくさん。
・映像をとっていたら関係者に配送する。
<逆算で考えてみる作業のタイムライン例>
【~3ヵ月前】…パートがほぼ固まっている状態
[チラシの用意]
・チラシ配布リストの検討→見積もり計算→印刷部数決定
・企画書内容+問合先、クレジットほか掲載項目確認・決定→デザイン作成&校正→印刷
・ちらしは無駄のない枚数で刷れるよう、事前に配布計画わたてる。
・折込も、普通の演劇公演では2000枚とかふつうにありうる。パフォーマー・ダンス系では数百枚程度。
・類似のパフォーマの直近公演に行って折り込みを見て、どこで折り込むか考えてリスト化すると便利。
・ジャグリングの公演だけでねらうとあまりないので、ダンス・アクロバティック系、や演劇でも
パフォーマンス的なものなどを狙うと良い。そのために周辺アートも普段から見ておく。
・チラシの配布方法として、置きちらし、郵送、手配りほか、いろいろ伝える方法を考える。
・ちらしを作るということはその情報を変更できない。
・ちらしを作る時点で、日時劇場チケット販売方法、問い合わせ先などをFIXする。
・ちらしでからWebに誘導とかブログ、Facebook などもありうる。
[チケットの用意]
・販売方法の検討(一般用と関係者用)→掲載項目の確認→デザイン作成&校正→印刷
※関係者チケット管理は、必ず文面で。言葉のみは「言った言わない」になるので避けたい。
☆チケットの扱いはとても重要
・無料か有料かあとでわかるので精算は半券が残るタイプがやりやすい。
・災害の場合の払い戻しなどルールを決めておこう。
・チケットは金券だと思え。おざなりに扱わせない。チケット渡して、金をもらったかどうかわからないということも起きるので注意。(ノルマでチケットを売っている場合はとくに、金券扱いにしないと平気でなくしたり無料配布する人が出るので注意。売れ残りは確実に回収しましょう。)
・チケットの売れ行きの情報共有、売り上げ枚数と残席を2-3ヶ月前は週報、二週間前になると毎日MLを流していた。
・客がきて成立するので皆が宣伝したくなる動機付けをしよう。
*ストリートで300人集めるより、劇場に100人呼ぶ方が大変。ストリート感覚で売れると思っていると意外に売れない。そして、身内で売りあうはめに陥るので、ちゃんと人を呼ぶつもりでやらないとい痛い目をみます。
【2~3ヵ月前】…各自がそれぞれの稽古開始、時おり合同稽古。
・チラシ配布開始(折込、置きチラシ、DM送付、関係者配布など)
・WEB開設準備:種類/HP、BLOG、Twitter、mixi、youtube等 と コンテンツ検討→公開&適時更新
・予算状況とチケット販売状況などの管理
・稽古場手配&スケジュール・メンバーの出欠状況管理・調整
【1~2ヵ月前】…各自稽古続行、時々合同稽古、台本提出〆切。会場下見とスタッフ稽古見学・打ち合わせ。
・チラシ配布、チケット管理、WEB更新、予算管理、稽古場手配&スケジュール・メンバー出欠状況管理・調整
・スタッフ稽古見学日調整と実施(メンバーへの周知) ※なるべくこの時までに台本と図面・動画等を用意
・会場の下見手配と日程等調整
・WEB系情報投稿
・当日にむけて:パンフレット&アンケート準備、スタッフ探し
・書き直すとしても、一ヶ月前には基本台本ができているほうがいい。〆切は余裕を持って設定しないと、現場が多い人は書く余裕がないので注意。
・スタッフも忙しい場合も多いので稽古に見学にくる前に渡せるとベスト。
・劇場を知るには舞台装置がない、素の状態でみるのが望ましい。
・パンフレットやアンケート、当日スタッフ探し、直前に探すことが多いが、早めに動くと安心。
・パフォーマー系だとアクロバットで2階にロープ吊るとか、舞台の特殊な使い方があるので、技術スタッフとの確認をしっかりしておく。
・友達で舞台監督する場合、外の劇場を借りてやる何かあれば全ての責任がいってしまう。
それを友達値段で請け負わせるのか? あまり安い金額で全責任をとれとは言えない。
【その月】…各自稽古続行、合同通し稽古等。スタッフ稽古見学と当日に向けての打ち合わせ。
・チラシ配布、チケット管理、WEB更新、WEB情報投稿、予算管理、
稽古場手配&スケジュール・メンバー出欠状況管理・調整
・スタッフ見学日手配と打ち合わせの日程等調整
・当日にむけて:パンフレット&アンケート準備、スタッフ連絡、物品・進行スケジュール確認
・当日パンフレットを当日するということも多いがもっと前に作ろう。
・アンケート・パンフレットをつくる際にスペシャルサンクスを入れるとよい。載せる必要があるものは皆から聞き出して載せる。
(事前作業のみで当日作業をしないと、手伝ってもらったのに誰にも知られずに終わる場合もあるので地味に謝辞は大事)
・次の公演予定などあれば当日パンフレットに入れれば、その後の活動のPRにもなる。
以上
このレポートを書いて講師の奥村さんに送りましたところ、以下のメッセージもブログに追記して欲しいと依頼されました。
-----奥村さんのメッセージ
●パフォーマーにとって作品は自分自身のものであり、あらゆる空間がステージです。「舞台」は唯一の表現場所ではなく、ステージに出演するだけなら、自分でお金を出したり集めてまでやらなくてもいずれ機会はあります。
また他のジャンルと比べて、圧倒的に個人でパフォーマンスをおこなって生計が立つ人間が多い世界でもあります。
あえて時間もお金も割いて空間を用意して、営業向けでもない作品を他人と一緒に練習しながら創ることには、様々な困難がともないます。
そこまでして舞台公演をやるのであれば、いつものルーティーンをステージ用にアレンジするだけではなく、ちゃんとパフォーマンスだからこそできる舞台作品を考えぬいてから、やるかやらないかの選択をしてほしい。
その上でもやるのであれば、演者・スタッフ・観客にとってそれぞれ今後の活動の糧となるような忘れられない瞬間が生まれるよう、全員が努力してよい作品/公演になるべくとりくんでいってほしいとおもいます。
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